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◆真知子
虎が雨 御魂まつり 灯がともる 昌子
車椅子 靖国へ祈る 梅雨の空 昌子
色褪せた 金魚も泳ぐ 露店かな
---昌子(同じいけすの中にずーっといると赤色がにびいろに変わってくると聞いた事があります。きっとすばしこい金魚かなぁと情景が想像できて特選にさせていただきました)
---幸江 (祭りの賑やかさの中にも何か少しの寂しさを感じている作者の心情が伝わってきます。)
---貴幸
靖国に 若き声放つ 夏祭り
---幸江(神社の境内に神輿が入ってきて、なかでもひときわ若い声が響いています。夏祭りの活気が伝わってくる句です。)
---朱実(「靖国」と「若き」の対比にひかれました。)
◆昌子
ぷっくらとした手が踊る金魚つり
---朱実(ゆかたの幼児が金魚すくいをしている微笑ましい姿がすぐに浮かんできます。すくっている手つきを「踊る」とした所がいいと思いました。)
精灯の流れにのらず遠花火
---朱実(遠くの花火が開いてはすぐ消えていくことを出して、近くの灯籠が流れずにじっと止まっているのを際だたせている所が上手だなと思います。)
---真知子(精灯というのが、どういうものかわからないのですが、精灯とはまた違う光を放っている遠花火の静かな美しさが想像されます。美しいけれど、寂しさも感じます。)
---幸江(燈篭が漂う音のない景に花火が音を添えています。遠近光りの共演も美しいと思いました。)
---貴幸
靖国の地に今昔夏の雨
---朱実(みたままつりは「靖国神社」の夏祭りという所に特別なものがあると思うので、戦争体験者のお年寄りと戦争があったことすら知らない子供たちが同じ祭りに集まっていることの感慨がよく詠まれていると思います。)
---真知子(靖国神社に行って見て、戦争の悲しい歴史、特に特攻隊の悲しい歴史を強く感じました。その一方で靖国に遊びにきている若者の楽しそうな様子も印象に残りました。靖国の移り変わりを感じるいい句だと思います。)
---幸江(複雑な歴史の神社の境内に佇み、夏の雨を眺め、その雨を通して時の流れを感じている作者がいます。)
---貴幸
◆貴幸
夏燈篭流れずにいる堀の上
---幸江(燈篭が流れずに留まっている景の写生句ですが、人生を重ね合せてみている奥深さがあると思います。)
◆幸江
燈籠を流すや小雨しきりなる
---真知子(亡き人を偲ぶ燈籠を流す寂しさが、涙がしとしと降っているような小雨と、とても合っていると思いました。)
流燈のひとつふたつと寄り添いし
---真知子(御霊が流されて、現世から離れていってしまう心細さをこの句から感じました。暖かく燈籠を見守っている句だと思います。)
---昌子
流燈や水面にみたまうつしつつ
---朱実(灯籠の明かりを「みたま」と表現して、ゆらゆらと遠ざかっていく姿を魂が帰っていくように感じさせる点がいいと思いました。)
---真知子(燈籠の水面に移った光に魂を感じたのでしょうか。その光を見て、亡くなった思い出の人を偲んでいるそんな情景をこの句から想像し
ました。)
---昌子
---貴幸
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