4月
◆(真知子)
外にも出よ触るるばかりに春の月 汀女
この句は有名ですよね。 素直で力強くて明るい気持ちの句です。
昭和21年の作というから、終戦後初めての春の句。 さあ、これからだという気持ちに溢れているなと思います。
◆(朱実)
顔じゅうを蒲公英にして笑うなり 橋關ホ
蒲公英は道端や野にあって、ありふれた素朴な草花です。そのたんぽぽのような笑顔 とは、純粋で心の底からの喜びにあふれた明るいもので、笑顔を見る人も思わず一緒 に微笑んでしまうような温かさがあるでしょう。「蒲公英のように」という比喩でな く、「蒲公英にして」を表現していることで笑っている人の心情がまっすぐに伝わっ てくると思います。
◆(貴幸)
夏の雪山大空を曳きやまず 岩谷滴水
夏の青空に雪山がまぶしい。「曳く」とは「引っ張る」の意。空を引っ張るという
作者の感性には恐れ入る。曳きやまずという表現が、空間的な広がりと、作者の
思いを美味く伝えているのではないか。 |