1月  鑑賞会
 


◆(朱実)
風邪の夢ときをり雲を踏み外す  藤田湘子

風邪をひいて熱がある時に見る夢の感じがよく表現されている。誰
もがこういう経験をしているのでは。


◆(昌子)
痩蛙負けるな一茶是にあり 小林一茶

小林 一茶の代表的な句です。蛙の俳句としては、松尾芭蕉のもの
が有名ですが、芭蕉は風景の一つとして蛙を詠んでいます。主題と
して蛙を詠んだのは、凄いなあと思います。身近なところの、思い
がけないもの全てが俳句の対象となるということをいつも忘れずに
いたいなあと思います。


◆(広美)
沖縄に義母ねむりをり海紅豆  花井鷹士

昨年参回忌を終えた私ね母を「若葉」に出したところ、思いもよら
ず入選した句です。私によくにたエネルギッシユな母でしたが、海
紅豆(紅い珊瑚)と現し母が決して楽ではなかった現世を美しく詠
んでいると感謝しました。


◆(真知子)
月の下死に近づきて歩きけり  星野立子

立子はこの年還暦を迎える。翌年には「玉藻」が四百号を迎え、主
宰者としての日常はますます多忙を極めていた。しかし、いくら忙
しくても死というものに対する意識からは逃れられないのだろうか。。
一句が読み手に見せているものは、ことばの意味を超える月の美し
さではないかと思う。


◆(貴幸)
わが胸にすむ人ひとり冬の梅 久保田万太郎

梅と言う植物は、春に咲く植物に先駆けてこの寒い冬にまず咲く。
堅い殻から芽を出し、この寒い空気の中咲く梅は、まさに凛々とし
た美しさ、厳しさ、勇気を持ち合わせている。さて、本句はそんな
梅の姿をみて作者の思いを寄せた句。梅は桜と比べて一花一花が自
立しているように思える。




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